真夜中の論争 5

4/11
前へ
/22ページ
次へ
「ふふっ……くすぐったいよ。アカネ」  風太に鼻をかぷりと甘噛みされる。ただでさえ緊張で息が吸えないのにもっと息苦しくなった。自然と口が開き、声が漏れ出る。 「あっ、んっ、いき、くるし……」  上を向いて口を大きく開ける。はぁ、はぁとだらしなく犬のように舌を出して呼吸した。鼻に感じた違和感がなくなり、今度は唇を塞がれる。じゅるじゅるとお互いの唾液が行き来し、口の中で混ざり合った。  頭に酸素が行き渡らなくなって、ビクッと足の指先が揺れたかと思えば精液を吐き出していた。ちんちんはピクピクと揺れて、先端からあふれた精液が自分の腹を汚している。 「はぁーっ、はぁっ、はぁ、はぁはぁ……」  チラリと、興味本意で風太の下半身を覗き見した時、風太自身は何も反応を示していなかった。その事実がオレの心に深く突き刺さる。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加