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今週の金曜日も風太とナイトプールで過ごす。どうせ、やることないしナイトプールは非日常の空間だ。なにもしなくてダベっても、誰にも迷惑かけないし、風太と一緒にいるのは楽だ。
「ねーね、そこの子達~ご飯食べた? まだなら奢ってあげるからおいでよ」
仕事終わりのリーマンがオレたちに声をかけてきた。このホテルの場所がビジネス街に近いから、興味本意で遊びにくる人が多い。
「え? ガチで?! お腹すいてんだよな~食べる食べる~!!」
あれから、極力、風太と二人きりになるのを避けたいオレはこうして初対面のところに行くことが増えた。それを見て風太はよく思ってないことも知っている。
プールサイドにあるオープンテラスのレストランテーブルへ行き、リーマンたちがたむろしている、向かい側の空いてる席へ座った。
オレに声をかけてきたリーマンは、プールなのにメガネをかけていて、黒髪のオールバックだ。すっごくオレの好み。きっとこの人は風太と違ってタチだ。
もう一人は茶髪で明るく、黒髪の人の先輩らしい。話題は全部そいつから振られる。適当に答えつつ、目線は好みの黒髪メガネに向けていた。黒髪の彼は、雄賀多っていうらしい。
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