2 破壊者

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「なにっ? 誰かをつぶしに行くとかだったら全力で止めるからねっ!」 睨むように見られたけど、そういうのじゃないよ。 「中学んときにさ、美結、嫌がらせとかあった……?」 「うん、あったよ。教科書隠されたりジャージなくなったり」 「………え」 「え、って、想が訊いてきたんでしょ」 僕の顔がよほど間抜けだったのか、美結は呆れたように見て来る。 え……美結に被害、あったの……? 「でもそういうの、一年生の最初の頃だけだったかなー。まだ全然学校に馴染めない頃だったから、そういうの普通にあると思ってた。でも高校に入ったらないから、玲奈に言ったら『それイジメだよ! なんで碓氷くんに言わなかったの!』って怒られたけど」 「ほんとだよ。なんで俺に言わなかったの」 あ……少し、僕の語調もきつくなったかも……。
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