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尚……美結は、僕らが思っているよりずっとずっと、強い子だったよ。
いや、尚はわかっていたのかもしれない。
わかっていなかったのは僕だけだったかもしれない。
「美結、カッコよすぎ」
「え……そ、かな? ただのプライドの高い嫌な奴だと思うよ……?」
「ううん。惚れ直した」
美結は、自分の足で立っている。
僕に寄りかかってほしいと思っていた。
でも、それは美結には必要のないことなのかもしれない。
なら、これはどうだろうか……?
「あとね、美結。美結がいるのは俺の傍じゃないよ」
「え……」
「俺の、隣。ずっと前からそこは、美結しかいない、美結だけの場所だよ」
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