2 破壊者

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「……想、尚の毒舌うつってきてない?」 「うつってるかもね。でも、そんな心配、する必要ないよ」 「………片想いをこじらせてたんだよ」 「………?」 片想いを、こじらせる……? 片想いって風邪みたいなもんだったの? 初めて知ったわ。 「……どういう症状?」 「だからっ。想は鈍感過ぎて気づいてくれるわけないし、でも自分から告白なんて怖くて出来なかったし……好きなの、やめるなんてもっと出来ないし……。……がんじがらめだったの―――」 ……これが、美結が何も出来なかった理由か。 本気で僕と同じだな。尚が呆れるわけだ。
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