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「……いなくなっちゃ嫌だよ?」
「そっちの蒸発じゃない! 私の頭から湯気が出るってこと!」
……美結は頭が爆発したり蒸発したり、大変だなあ。
僕の所為だって言われたら、美結に変化を与えられることに少し優越感を覚えてしまうけど。
「そ、そういえばさっき言ってた想のおじいちゃんってどんな人だったの? 私逢ったことあるかな?」
うん? 急に話題の方向が変わったな。
「じいちゃんが亡くなったのは俺が小四の頃だけど、一緒に住んでたわけじゃないから美結は知らないと思う。じいちゃんは博物館の学芸員だった。よく俺に、新聞とか広辞苑とか大辞泉とか大辞林とか読んでくれた」
じいちゃんの家に遊びに行くと、いつも膝に乗って、よく読み聞かせをしてもらったものだ。
途中から里宇がじいちゃんの膝の半分に座るようになったけど。
と説明すると、美結が片手をあげた。
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