2 破壊者

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「ちょっと待って想。後ろの三つは辞書だよね……?」 「だよ。新聞読んでもらって、わからない言葉が出てくると辞書ひいて説明してくれんの。じいちゃんが、色々知っていることに越したことはないって」 「……想の勉強好きっておじい様ゆずりだったんだ……」 「いや、俺別に勉強好きではないよ? 色々知られるのは楽しいけど」 本音を言うと、美結と競い合うのが楽しくて勉強していただけだし。 「……嫌味にしか聞こえない」 「え?」 「ううん。素敵なおじい様だったんだねってこと」 「うん、いいじいちゃんだったよ」 ………。 中空を見つめる。 そんな大好きなじいちゃんに僕は人間失格って言われていたのか……? あ、今頃ショックが来たかも……。 「想、美結ちゃんー、開けてもらっていいー?」
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