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ドア越しに母さんの声が聞こえて、僕は立ちあがった。
「どした?」
ドアを開けると、両手にお盆を抱えた母さんがいた。
「お茶持って来た。あと、二人が二人っきりで何してるのかな~って……………見事に勉強の気配しかないね」
後半は平坦な瞳と言うか、がっかりした顔で言われた。
何を期待しているんだこの母親は。
「当たり前だろ。貴重な一日休みなんだから。成績で美結と競うのはやめないし」
「あんた、もうちょっと色気出しなさいよ。ただでさえクソ真面目なんだから」
「……それ、母親としてどうなの?」
アドバイスの方向がおかしいだろ。
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