2 破壊者

44/56
前へ
/290ページ
次へ
ドア越しに母さんの声が聞こえて、僕は立ちあがった。 「どした?」 ドアを開けると、両手にお盆を抱えた母さんがいた。 「お茶持って来た。あと、二人が二人っきりで何してるのかな~って……………見事に勉強の気配しかないね」 後半は平坦な瞳と言うか、がっかりした顔で言われた。 何を期待しているんだこの母親は。 「当たり前だろ。貴重な一日休みなんだから。成績で美結と競うのはやめないし」 「あんた、もうちょっと色気出しなさいよ。ただでさえクソ真面目なんだから」 「……それ、母親としてどうなの?」 アドバイスの方向がおかしいだろ。
/290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加