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握り拳で言うと、何故か母さんの目は冷たくなった。
「ごめん美結ちゃん……うちのボケ息子、愛情表現が暑苦しくて……」
「いえ……想くんのとんでも発言には慣れてるつもりですから……」
美結が困った顔になってしまった。
母さんが、僕の耳を引っ張った。
「いたっ、なに?」
「想、言って置くけど、美結ちゃんのご両親に後ろめたい付き合い方はすんじゃないよ?」
「当然だろ」
「……わかってるんならいい」
母さんは手を振って階段を降りて行った。
……本当に今度、必ず墓参りに行こう。
母さんから受け取った盆をテーブルに置く。
「ごめん美結、母さんがうるさくて」
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