2 破壊者

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握り拳で言うと、何故か母さんの目は冷たくなった。 「ごめん美結ちゃん……うちのボケ息子、愛情表現が暑苦しくて……」 「いえ……想くんのとんでも発言には慣れてるつもりですから……」 美結が困った顔になってしまった。 母さんが、僕の耳を引っ張った。 「いたっ、なに?」 「想、言って置くけど、美結ちゃんのご両親に後ろめたい付き合い方はすんじゃないよ?」 「当然だろ」 「……わかってるんならいい」 母さんは手を振って階段を降りて行った。 ……本当に今度、必ず墓参りに行こう。 母さんから受け取った盆をテーブルに置く。 「ごめん美結、母さんがうるさくて」
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