2 破壊者

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「だっ、大丈夫じゃないっ。想のお母さんが言ってたことは聞き流していいやつ! 気にしないのが一番なやつ!」 「……そういうもん?」 「そういうもんそういうもん!」 強く念を押すように言葉を重ねられた。 そうか。そういうもんなのか。 「そっ、そういえば里宇ちゃん、いないと思ったら剣友会の日だったんだね」 「うん。あいつ、剣道大好きだから」 僕らがいた中学では、学校の部活メンバーだけでなく、地域の子どもからお年寄りまで集まって剣道をする日がある。 それが剣友会で、月に一回の日曜日と、隔週の金曜日だ。 里宇は小学生の頃から中学校の剣友会に参加していて、そのまま剣道部に入った。 「里宇ちゃんすごいなあ。あっ、志望校うちにしてくれてるんだって?」
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