2 破壊者

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「美結はそんなこと気にしなくていいんだよ」 「気にするよっ。私のせいで想の成績が下がったりしたら――」 「そんなこと、ないから」 少し強めの口調で遮った。 「美結を理由にして今より落ちるところなんてない。だから、今までと何かを変える必要なんてないよ。変わるなって言ってるんじゃない。無理するなって言ってる。電話したいときはすぐにして。俺に言いたいことがあったら我慢しないで。 あ、他の奴らにはこんなこと言わないよ? 勉強中に邪魔にならないのは、美結だけだから。美結は、俺にとっては勉強より大事ってこと。だから……な?」 美結の手を握っているのとは反対の手で、美結の頬を伝う雫をぬぐう。 どれだけ泣いて、美結はここに来てくれたんだろう。 どれほど涙を流して、僕の隣にいてくれたんだろう。 ……美結の涙は、綺麗だ。
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