2 破壊者

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「『美結』と『里宇』って名前、音が似てるっしょ? 並んだら姉妹感出るじゃん? 美結ちゃん、あたしのタイプだし。だから仲良くしたい!」 「気味悪いこと言ってんじゃねえよ」 姉妹感なんて出てたまるか。 美結を変態に巻き込むな。 「つーかお前、好きな人いんだろ? 美結のことタイプとか言ってんな」 「それとは別。美結ちゃんは人間として、あたしのタイプなの。美結ちゃんがあたしの憧れる姿ってこと」 美結が憧れる姿……。 ものすごくわかる。 「がんばれ」 「がんばる」 答えて、里宇は僕の部屋を出て行った。 ため息をつきつつ、里宇が置いて行ったノートを開いて採点をはじめる。 ……あ、正解だ。
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