*永遠の二人*②

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*永遠の二人*②

「なあ竹流、どうして俺が小児科に来たと思う?どちらかって言うとキャラじゃないだろ。イケメン先生だし?」 「いてっいてっ」 「俺さ今の病院で認められてPICU(小児集中治療室)のある三次の病院に行きたいんだ。お前がいなくなった時、俺が医者だったら助けてやれると 思ったんだ。笑えるよな小学生なのに」 「だから医大に行った。竹流が俺のために人生を決めたように、俺は竹流の為に人生を決めた」 「・・やっぱりよくわからない。お前の好き。でもな、俺は竹流と過ごした方がとても充実した日々を送れていたと思っているよ」 「ふふっ温かいな」 「・・あの及川先生」 「あ、はい」  家族の方が窓を開けておいていてくれた。 「竹流、本当に最後だな。まさか本当に会えるとは思わなかった。・・もう 一度お前の目を見て話したかったよ」  そしてスキをみてブルーのシーグラスを棺に入れる。 「本当はな、入れちゃいけないものなんだぜ」 昨今のお棺の中に入れるものには規制がありお金(六文銭)、プラスチック製品、該当する故人の遺品。骨についてしまうからだ・・。 「交換だ竹流。二人の宝物、二人で島で過ごした日々、すべて忘れない。いつまでもお前のアレキサンドライトは俺のものだよ」 「ふふっだから熱いって」 俺はご家族に挨拶をし斎場を後にした。そしてマンションの手前の角で止まる。 「竹流、もうここまででいいよ。家までこのぬくもりがあると怖い。明日帰ってきてもこのぬくもりがあると思ってしまう。俺はそれが怖い」 背中が一気に冷たくなった。・・沈黙が続く。するといきなり温かくなった。全身が温かくなってまるで竹流に抱きしめられているようだった。 「竹流、お前の俺への命がけがこの温かさなんだな・・」  すうっと温かさが消えた。 「りょーすけー。だいすきー」  確かに竹流の声が聞こえた。そして俺の体は晩秋の風に包まれていた。 少しきつめのアイロンがかかった白衣に腕を通す。 俺のデスクの中には竹流のアレキサンドライト。 「竹流、俺は歩く。お前の分まで、お前と一緒に」
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