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次の日に遠田と口裏合わせして、光樹が俺のアパートに泊まりに来た。
出迎えた玄関先で、さっそく正面から抱きついてくる。
以前は光樹の頭は俺の胸におさまっていたけど、いつの間にか俺のほほが光樹の額に当たる位置になっている。
「なんかホント、伸びたな」
額にほほをすり寄せながら言うと、光樹は顔を上げた。
「早く背伸びしないでキスできるようになりたいな」
かわいいこと言うから、顔をかたむけて俺からキスをする。
そのままその日は、アパートで好きを堪能した。
下手したら夏休みまで会えないかも知れない。
やることいろいろあったけど、次の日は朝に一度イチャついてから光樹と街でデートした。
カラオケ行ったり美味いもん食べたり、本屋行ったり服買ったり。
遠距離恋愛って気持ちが離れても仕方ないって聞くけど、俺らにも当てはまんのかな。
光樹は高校出たら演劇が盛んな東京の大学に行くって言ってて、さらに遠距離になる。
俺から離れる気は全然ない、光樹も誠実な奴だから俺を捨てたりしないと思う。
でも、なんか、見えない不安がある。
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