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 夕飯がまだだったので近所のラーメン屋に出向く。  入り口を開けてくれたりおひやを持ってきてくれたり、前はかわいい後輩が健気に動いてるように見えたのに、エスコートされてるような気分になる。  部屋に戻ると、ベットに寄りかかってテレビを観た。  隣に座った光樹が距離を詰めてきて、俺の肩に頭を乗せる。  頭の位置が、高い。 「光樹、身長何センチ?」 「百七十八」 「あー、負けてる。体重は?」 「六十三だよ。さすがにラグビー部には勝てないな」  なにげない会話をしていると、小さくてかわいい光樹と一緒にいるような気もしてくる。  だが横を向くと男気ありそうなおだやかな顔が、俺を見て微笑む。 「いや、光樹もいいカラダしてんだろ。見せろよ」  身長伸びて男前になって身体はどうなっているのかと、光樹のシャツを剥ぎ取る。  クラっときた。  不健康ではない白い肌に程よく筋肉のついた身体、急に引っ剥がしたもんだから困った顔して、上目遣いで俺を見る。 「演劇部で腹筋鍛えるために運動してるから、多少は筋肉あるのかな」  無視するように骨太な肩を撫で、唐突に光樹の胸に吸い付いた。  光樹が息を飲む。  何度か最後までやった間柄、ジーンズも下着も剥ぎ取って、無言で自分もすべてを脱ぎ捨て、くちづけながら下腹を探る。  光樹をベッドに引き上げてさらにくちづけながら胸の筋肉を確かめるように指先でもてあそぶと、光樹の手が俺の下腹に伸びて、触れる。  荒々しくいたぶり合い、舌を這わせ合い、光樹の精を飲み干し、自分も果てる。  俺は、このままではおさまらない欲求に、困惑した。  困惑をあらわに、光樹を見る。  光樹は静かに瞬いて、俺を見る。  そして、柔らかくつぶやいた。 「今日は俺が、春斗さんを抱いたらいい?」
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