エピローグ

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 今考えると、いや絶頂期から、僕もブーメランはきっと戻ってくるという予感がしていた。もちろんブーメランではない。『アルコール』という武器である。しかも見事に獲物を落として、僕に多少なりとも富や財産をもたらした。一方で、いつかは自分の元に戻ってくるブーメランが、どのように僕の手のひらに収まるのだろうと心の隅で怯えている自分もいた。  元来、悲観的に考えてしまう僕は、きっと自分のもとに帰ってくるときには、そのつけが回って自分の身をズタズタに切り裂いてくれるのではないかと思っていた。  そして、僕の予感は的中した。父の死、離婚、家族を失う、家を失う、退職、入院、ホームレス・・・ と僕がこうして並べても笑っちゃうくらいなんだから、他の人が見ても笑ってしまうだろう。本当にブーメランは僕の人生を切り裂いて帰ってきた。  アルコールの怖―い話の始まりだ。
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