第3章 大学時代

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第3章 大学時代

 無事、大学に入ったとたんにバブルは崩壊した。笑うしかない。  夢にまで見たバブルな生活は泡の如く消えた。大学生は皆一様に暗い顔になった。  またその一方、高校時代にはヤンチャな僕だったが、大学に入って落ち着いた。  1つには、上京して孤独になったからだ。地元では多少モテて悪さをして目立っていた少年も、東京では誰もかまってはくれなかった。それにバブルがはじけて大学生はもうキラキラ光る存在ではなくなってしまった。いわゆる就職氷河期である。もう遊んでいられる御身分でもなくなってしまったのである。  2つには、単純に勉強が面白かったからである。受験に関係のないさまざまな知識を身につけることは、単純に新鮮な喜びだった。高校生のような押しつけがましい受験勉強とは違って、時間に追われず興味のあることを深く学べることは、僕の性格には合っていたように思う。  高校時代から変わってないことと言えば、酒とタバコだった。上京した孤独や不安を打ち消すために僕は酒を飲んだ。もはやみんなとワイワイ飲むような機会は少なくなった。酔うと1日のストレスがなくなっていき、感性が刺激され、万能感を感じるのであった。いつしか1人で酒を飲む癖も覚えた。いわゆる「連続飲酒」の始まりである。  学校以外にはアルバイトをした。スーパーの店員そしてマックの清掃員。生活費を稼ぐためでもあったが、僕は車がほしかったので、一生懸命働いて、スズキのジムニーという軽のジープを買った。中古車で20万円だったがよく走り、故障もなかった。この車で時間があればこの後に登場する彼女とよく旅行に行ったものだった。  家は千歳烏山から徒歩20分の1Kアパート。家賃は55000円。ロフト付き。騒音が無く、建物の横は休耕地になっていて、栗の木が点々と植えてあったのが気にいった理由だ。仕送りとして10万が仙台の実家から送られていた。平日に週3,4日スーパーと塾でバイトをしていたのでなんとか暮らせていけた。
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