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もう何百年、こんなことを繰り返しているのだろう。
確か、私は元々は人間だった気がする。しかし、どうしてこんな存在になったかは、もう覚えていない。いや、本当に人間だったのかも、いまひとつ自信が持てない。それほど、昔の記憶が朧だ。
私の世界に迷い込む娘たちは、皆、心に穴が空いている。
それを氷で埋めて、あわよくば私の世界に……とは言っても、一時的にとは言え心に余裕をもった娘たちはいつも、元の世界へ希望を抱き直し、私の世界から去っていく。無理やり引き止めるのも柄じゃない。
結局、私の心の穴はきっと、永遠に満たされないのだ。
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