彩日記〜アヤの恋愛備忘録・２〜

揺れる想い

時間が経つにつれ、ユカの忠告を重く受け止め始めた。

そもそも、相手からアプローチされたならまだしも、何もないのにこちらからユウキと田中さんのどちらを選ぶかなんておこがましい。

だからといって自らどちらかに突っ走るのは怖い。

きっとまだ私には、恋愛をするだけの気力は戻っていないんだと思う。

ありがたいことに私には仕事がある。

元々出世願望はないし、もしも頑張ったところで、まだまだ男社会なウチの会社。その見込みもない。

それでもやっぱりこの仕事が好きだし、やり甲斐がある。

冗談抜きで、マンション購入を目標にして頑張るのもアリだと思う。

今は仕事に打ち込む時。

やっぱり恋愛はしばらく封印しよう。

ユウキとは恋愛関係に戻らないという答えが出ている。

ということは、残るは田中さん。

田中さんにはどうしても惹かれてしまいそうになる。

でも今ならまだ間に合う。

田中さんとは仕事以外は少し距離を置こう。

私は行動に移すことにした。