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彩華を迎えに行く。彼女の父とは何度か顔を合わせて仕事をしている。門前払いはされずに話を聞いて貰う事ができた。
水波グループ、社長代行であり役員の肩書がここで役に立つ。彼女の父は利害関係を重視するタイプの人の様で俺をあっさりと認める。
今日ばかりは來斗に感謝だな――
「伊織、あの、私は……」
「一緒に帰ろう」
彩華の手を取り引き寄せる。二人でマンションへと戻り肩を並べて腰掛ける。
「ここにいてもかまわないの?」
まだ君は、わかっていないらしい。
「好きなだけ。……離さないけどね」
俺が欲しいものを彩華が与えてくれた。満たされた想いにもう惑いは無い。
身体を重ね合わせて愛を誓う。偽りの言葉はそこに無い。激しい熱情を彩華に伝える。
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