episodeー告白

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「すまない、いきなりこんな真似をさせて」 七緒の腕を掴み立たせる。まだ呆然とする様子に仕方なく椅子に座らせる。 「美人だし目力めちゃくちゃ強いし、ドキドキしちゃいました」  沙羅に似ているところがあると思っていたが、どうやら七緒の方がよく話す。その朗らかさにホッとしている自分に気が付く。 「帰りは送ろう。お礼は食事でいいかな」 残した仕事は日を改めよう。スーツの上着を腕にかけて七緒を誘う。    出入口で足を止めて君が振り返る。 「亜城さん、お礼してくれるんですよね?」  「あぁ、食事よりプレゼントが希望?」 扉の外へ二人で出ると、君は両腕の指で俺の片腕を掴む。 「ちょ、七緒さん!」 つま先を立てて俺の頬に口づけをする。 「こ、これで十分です。お疲れ様でしたっ」 バタバタと走り去る背中が可愛らしい。胸に空いた隙間にあたたかな風が吹いた気がした。
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