西村尚人の悩ましき日常 2

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 友香のことだから、待ち合わせなんてしたら1時間くらい前から待っていてもおかしくない。  それに、友香の母さんは友香そっくりで、いつもキャッキャと言いながら送り出してくれるのは……まぁ悪くない。  それも、信頼関係かと思えばいいかなと思っているわけだ。  ―――って、友香の母さんと信頼関係結ぶ必要あるのか?  と思った時にはもう遅い。  友香と友香の母さんと俺のグループラインは、未だ健在である。    「夕方には戻ります」  「あらそう? いつもありがとね、尚人君。疲れてない?」  「いえ、こいつ……友香といると、面白いので」  「先輩っ、面白いってどういうことですか!?」  そんなやりとりを、友香の母さんがふふふと笑って見ている。  そんな時、ちょっと苦くて恥ずかしさがあるけれど、どうも強敵のこの人の前では俺は素直になってしまう。  それも存外悪くないと思いつつある自分が、ちょっと怖い。  「行くぞ」  手を差し出すと、友香は嬉しそうな顔をして、パッと握り返すようになった。  最初はいいのかな、どうしよう、って気持ちがありありと浮かんでいたけれど、最近は迷いがなくなったようで、すぐに掴んでくれるようになった。    ―――でも。これで、いいのか?
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