見つめるその先に

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 「へへへっ」  不審者間違いなしだなって思いながら、先輩の言葉を思い出してドキドキする。  好きに、なって?  私はきっと、もっともっと好きになるから。  明日か明後日か。  それとも1月後か、はたまた1年後か分かんないけど……  私、先輩に好きになってもらえるように頑張るから。  だからお願い、少しだけ時間下さい。  いっぱい頑張るから。  見ててね、尚人先輩っ。  先輩の去った方角を見ながら、私はにっこり笑うときゅっと目を閉じた。  もう、困った笑い顔の先輩はそこにはなくて。  嬉しそうにう先輩の顔が見えた。  多分きっと、近いうち。  蹴った石ころが先輩に当たって。  「バカだろお前」  って、言われるかなーなんて。  まだまだ夢見る乙女な私に、付き合ってくださいって思いながら。  私は鞄を握りしめて、見つめるその先に先輩を感じながら……家までの道のりを歩きはじめた。  (fin)  改稿公開 2019.08.18
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