うそつき吸血鬼のやみつきディナー

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数時間後。  締め切った部屋の空気は発酵したような艶かしさで湿っていた。窓を彩っていた夜景は消え、街並みの向こうの空が赤い。  ソファの上に僕らはまだいた。起き上がろうとするあずま君の身体を押し返し、覆いかぶさった。僕の身体はソファにはみ出すほどの大きく膨らんでいた。背はそのままに弾力のある厚みのある筋肉に覆われ、体重はきっと細身のあずま君の二倍近くあるだろう。  何度もイかされ、ろくに身体に力が入らない彼を抑え込むことなど簡単だった。  無理やり勃たされた彼自身は真っ赤に腫れ、小さく震えながら僕の手の中に収まっている。あずま君は僕の腕の下で嫌々と首を横に振っている。 「もう……やだ……出(れ)ない……出(れ)ないからぁ……」 「だぁめ。乳首弄ってあげるから、ね?」  ろくに舌も回らなくなった彼の懇願をやんわりと断り、僕の白濁で汚れた胸の突起を摘んだ。粘っこい膜のような感触とともに彼の乳首が挟まれると悲鳴のような喘ぎが聞こえる。最初の勢いはとっくに消えて、彼はあふれた涙で頰を汚しながら僕を見上げる。 「ぁぁあッ、もう、やら……、無理ぃッ」「あずま君、泣かないで……ね?」  その涙を舐めとると僕は足を大きく広げて彼の上に跨った。下から伸びてきた手が僕の腕を掴んですがりついてくる。 「や、挿れないで……ッ――あ゛あ゛あ゛ぁ……ッ」  勃起した彼自身を僕の秘部に宛てがい、ゆっくりと腰を下ろすと悲鳴のような嬌声をあげて、彼の体が痙攣した。限界値を超えた快感は苦痛を与えるようで彼は僕を上からおろそうと必死に暴れている。そんな悪い両手をひょいと掴むと一気に奥まで彼を受け入れる。熱い塊に埋められると快感に熱い息を吐き出した。 「……はぁッ、あずま君の……っ、ほんと……美味し♡」 「も、動かないで……頼む……から……」「うん、手を繋ご?」  掴んでいた手首を手のひらに移動させて両手を握ると腰を上下に揺すった。何度も彼の精を受け止めている僕の中は赤く濡れており、どれだけ彼を締め付けてもその滑りでどこまでも深く潜り込んでいくような錯覚に襲われる。動くたびに粘着質な音を立てて部屋の湿度を上げていく。快感に濡れる僕の声に反して、連続で射精させられたあずま君は半狂乱で叫んでいた。 「は……ぁ、あぁ……、……すご……んんッ」 「ひぎッ、ああぁッ、あづい、もぉ、死んじゃう……やぁぁぁッ」  深く腰を下ろした拍子に彼の体がガクガクと震えた。また達したのかと思ったけれど、腰をあげると僕と彼を繋ぐ結合部から透明の液体がぽたぽたと垂れた。 「あずま君、潮吹いちゃったの?」  返事はない。  手を離すと彼の腕は人形のようにソファの背もたれに投げ出された。 「あずま君? あずま君?」  何度か揺さぶってみたが、彼はなんの反応も示さなかった。伏せたまつ毛に溜まった涙が落ち、ソファを濡らしただけだ。 (どうしよ、気絶しちゃった……)  ちょっとびっくりしちゃったけど、かえって好都合だったかもしれない。僕は気を失った彼を抱きかかえると部屋を出た
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