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秘め事
大河の毎晩のルーティンは、夜寝る前の論文作成だった。
研究所時代の論文をまとめ、その研究内容が陽の目を見る事はなくても、自分の中だけでも昇華させたかった。
時計を見ると3時になっていた。
流石に朝に響くとベッドの中に入る。
目を瞑ると、毎晩瞼の中に浮かぶのは伊丹の顔だった。
スーツを着こなし、隙のない伊達男の伊丹の顔が浮かぶ。
ダメだ。
しばらくしてないせいか、今夜は、限界。
大河は熱くなった下半身に手を当てる。
「んッ!」
伊丹を浮かべながら反り勃つモノを手で扱き始める。
「んんッ!んッ!」
声を出さないように腕を噛む。
そうしないと伊丹の名を叫んでしまいそうになる。
会長。
伊丹さん。
悠介さんッ!
「!!」
ティシュの中に果てると、大河は気持ち良さに荒い息遣いになる。
目を開け、薄暗い部屋で切なくなる。
男娼時代に開発された身体が疼く。
自分で扱いて果てても身体の芯の熱が治らない。
抱かれたい。
悠介さんに。
悠介さんのモノで、めちゃくちゃにされたい。
大河は枕に顔を押し付けて、枕を抱きしめる。
満たされない欲望に狂いそうだった。
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