二夜目

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「ほんと、マズイって……」  果たしてこの状況は、同級生をオカズにしたことになるのだろうか。いや、断じて無いはずだ。そう思いたいのは自分自身だけ。 「だいたい、誰なんだよ。全然あんなの、宮城じゃないって。アイツはそんなやつじゃないのに」  あれは自分が作り出した妄想なのか? 俺は実は男もイケるのか? いや、それはそれで問題だがここでは関係ない。  問題なのは、なぜそこに宮城が登場してるのかということだ。他にもカッコイイ男はいっぱいいるし、なんなら菅田○暉の方が好みだし。 「なんで宮城なんだよ」  よく知りもしない、顔もそんなにタイプじゃないはずなのに。興味なんてこれっぽっちも無いはずなのに。 「どうすりゃこの夢は終わるんだ」  いっそのこと告白して、盛大に振られてみれば気が済むのだろうか。しかし俺が好きなのはあくまでも夢に出てくる宮城であって、実際の宮城ではないから意味がないかもしれない。  しかし現実で宮城に会う度に、夢のことを思い出してしまう。そのせいでここのところ避けるようになってしまった。本物の宮城は何も悪くないのに。  自分のことなのに、どうすればいいのか全くわからない。せめて何をしたいのか、それさえわかれば後はどうにかなる気がするのに。 「学校行きたくねぇ」  今からでも研究室を変えてはもらえないだろうか。そんなワガママが許されるわけがないと知りながら、俺はぼんやりと天井を眺めた。
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