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心の切れ端
わたしは、ずっとだめな子だと、思っていた
だから、誰にも気にかけてもらえないんだと
それに、たくさんの人ごみの中で、たくさんの背中をみて、
大人は、ずるくて、意地悪で、
そういうもんだと思っていた
全部、知った気でいた、わかった気でいた
でも、あの人は、気づいてくれた、助けてくれた
どうして、わたしに、気づいたんだろう
どうして、家族でもない、わたしを助けてくれたんだろう
知りたいと思った
あれから、同じ時間、同じ場所で、見覚えのある背中をみかけるたびに、
嬉しくて、
かけよりたいと思った
きいてみたいと思った
でも、できなかった
わたしは、ありがとうも、ごめんなさいも、なにも教えてもらわなかったから
疑問をもっては、いけないと言われてきたから
でも、どうして、知らないはずの感情が、こんなにも湧きあがってくるんだろう
どうして、疑問に思うんだろう
知りたいな
怒られてもいいから
この気持ちを、あの人に伝える、方法と一緒に
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