番外編

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通い慣れたファミレスのドアをくぐると 「いらっしゃいませ」 南さんがにこやかに出迎えてくれた。キッチンにいることが多い彼だが、今日はフロアの担当のようだ。 「鉄男さんこんばんは。今日は早かったですね。いつもの席でいいですか?」 ここのところずっと通いつめているので、南さんも僕のことを覚えて話しかけてくれるようになった。 「うん、ありがとう」 笑顔で返事をすれば、南さんもとびきりの笑顔を返してくれる。営業用のスマイルかもしれないが胸がときめく。 そう、僕は毎日彼に会いに来ているのだ。 若にこの店に連れてこられた時に初めて彼を見て、僕は一目で彼を好きになってしまった。
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