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自分の顔がいいことは、幼稚園の頃くらいには気付いていた。
物心ついた時には施設にいて、両親はオレが小さい時に死んだと聞かされていた。運が良ければ養子に貰ってもらえると言われていたけど、今さら義理の親なんて要らないと思っていたオレはかなり可愛くない子どもだっただろう。
でも、この顔のおかげであちこちで可愛がられたものだった。何かやらかしても、ちょっと申し訳なさそうな顔で謝ればどんな大人でも許してくれた。
友だちは必要なかった。オレの言うことを聞く子分がいれば十分。友だちなんてめんどくさいだけだし。
女の子はベタベタしてきて嫌い。
男の子はライバル心を燃やしてきて面倒。
オレは1人でいい。
そんなひねくれた子どもだった。
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