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「おにいちゃん、すごいねぇ。こんなおおきいあな、みたのはじめて!」
パチパチと手を叩いてオレの掘った穴を褒めてくれるその子には、不思議と嫌な気持ちがしなかった。
「お前も一緒にやるか?」
「いいの?やりたい!」
満面の笑みで喜ぶ彼女を見て、何故か胸がドキドキした。
なんだこれ………?
初めて湧く感情に戸惑いながら自分のスコップを彼女に貸してあげる。
「ありがとう」と嬉しそうに受け取る彼女にまたドキドキする。
オレたちは日が暮れて彼女のお姉さんが迎えに来るまで一緒に遊んだ。
他人と遊ぶのはめんどくさいと思っていたのに、彼女と遊ぶのはとても楽しかった。なので「そーちゃん、あしたまたあそぼうね」と言う彼女に「わかった。また明日ね」と、明日も一緒に遊ぶ約束をしていたのだった。
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