初恋

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それから毎日オレたちはあの公園で待ち合わせをして遊んだ。 オレと同い年の彼女の姉が連れてきてくれて、日が暮れたら迎えに来てくれる。 穴を掘ったり虫を捕まえたり、女の子の好きそうじゃない遊びにも目をキラキラさせて取り組む彼女はとても可愛くて。 彼女の顔を見るだけで、一緒にいるだけでオレはすごく幸せだった。もっとずっと一緒にいたかったけど、オレたちはまだ小さな子どもだったのでそれはできないのが悲しかった。 『はるちゃん』と名乗るその子があの頃のオレの全てだった。 大人になったら結婚してほしいとお願いすると「うん!やくそくね!」にこにこしながら返事をしてくれた。 なのに、幸せなオレの日々は急に終わりを迎えてしまった。
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