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「テツコさん、お昼どうしますか?」
午前中の仕事が一段落した頃、遥人君がアタシに声をかけてきた。
「俺、お弁当作ってきたんですけど作りすぎちゃって…よかったら一緒に食べてくれませんか?」
もう!この子お嫁さんにほしいっ!
若もにこにこしながら「テツコさん、一緒に食べようよ。遥人のお弁当美味しいよ」と言っている。
アタシが遥人君を変なやつから守ってから、若とアタシの距離はだいぶ近くなったのよね。以前はただただ恐れられてた感じだったのに。
あの事件があったから、アタシは……。
「ありがと。すごーい!全部遥人君が作ったの?美味しそう~」
3人で仲良く遥人君お手製のランチを食べていると、所長と副所長が企業回りから帰って来た。
「おや、美味しそうだね。遥人君の手作りかな?」
「誠さんのお料理には全然及ばないからお恥ずかしいです」
遥人君が恐縮した感じでそう言うと、副所長は「そんなことないよ」と目を細めて笑った。所長も副所長も遥人君が可愛くてたまらないようだ。
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