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私の鍵、頂点めがけて!
「ナイシュッ!真帆っ!」
『ナイスッ!スクリーン!麻琳っ!
さぁ!みんなっ!ディフェンスだよっ!』
「「「「おぉっ!」」」」
第4クォーター。
残り時間は7秒。
3点、あと3点あれば。
私たち星蘭高校女バスはK県代表として念願のインハイ出場が確定する。
。.:*:・'°☆。.:*:・'°☆。.:*:・'°☆
積み重なった欲望を
一つ、また一つと撃ち落としながら
迸る汗が、涙が、
夢を開ける鍵となる
悲鳴をあげたその身体で
狙いを定め、解き放つ
それが私にできる、たった一つの
約束だから
ボロボロになった精神を
一つ、また一つと奮い起たせながら
迸る汗が、涙が、
夏を終わらす鍵となる
研ぎ澄まされたその身体で
狙いを定め、解き放つ
それが私にできる、最後の
約束だから
。.:*:・'°☆。.:*:・'°☆。.:*:・'°☆
残り5秒!
『ナイスッ!カァーッ!!麻琳っ!』
「後は頼んだよ!真帆っ!」
麻琳からのパス!
これがラストチャンスだ!
とりあえず、2点入れば延長戦に持ち越せる!
残り3秒!
(私が鍵を抉じ開けてみせる!)
相手側のディフェンスを交わし、トップ・オブ・ザ・キーの頂点からシュートを放つと同時に相手ディフェンスの手が私の手に触れる。
それでもボールは綺麗な弧を描きながら、まるでゴールに吸い込まれるように輪の中に入っていった。
〈パシュッ〉
〈ピィ━━ッ!〉
「ファール!白5番っ!
イリーガル・ユース・オブ・ハンズ!
バスケットカウントワンスロー!」
『!?
う、うそ!?』
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