10章 甘い時間

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「ねぇ、シャワーを浴びたいの」 「後でね」  もう~。汗のにおいが気になるのに。護はそんなの気にならないのか、胸に唇を這わし続けている。  柔らかな舌の刺激とつまみ上げる指の刺激を同時に与えられた。  やっぱりいつもより刺激が強い。甘噛みも指で潰される力も…… 「痛いよ、護」 「ごめん」  ハッとしたように護が顔を上げた。  私の胸から手も離れていく。護が私の身体から離れて隣に横になった。  気持ちを落ち着けるためか、息を深く吐きだしている。 「灯が拉致された時、本当に怖かったんだ」  護の顔は今にも泣きそうだった。 「助けたときは怪我をして、記憶まで無くしていて」 「ごめんなさい」  私が無茶なことをしたばっかりに。護にこんな顔をさせている。
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