プロローグ

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プロローグ

 私の身体に触れる指――――  時に優しく、時に激しく。  意味なく触れているようで、的確に敏感な箇所を刺激する。  湿り気を帯びた唇が、私の身体に跡をつけていく――――  私は時に甘い声をあげ、時にはしたなく懇願する。  そしてそれに応えるかのように刺激が強くなる。     私は抱くこの男性(ひと)は誰?  知らない……  覚えていない……  記憶にない……  けど身体は覚えている。  この指も唇も……  そしてひとつになった時の悦びを――――
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