第2章 配達

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「突然の手紙、申し訳ございません。なにぶん、私の知り合いで、頼めそうな、探偵を職業にしていらっしゃる方は、貴方くらいしか、思いつかなかったのでございます。 私には、三人の息子が居りますが、私は、遺産を三男の三津夫に残したいと思っております。 そこで、私の得意な暗号を使った仕掛けを金庫に施しました。 三人の息子たちは、誰もこの暗号を解くことは出来ないでしょう。 もし、三男の三津夫がそちらに伺う事がございましたら、暗号を解くのを手伝って頂けないでしょうか? 今は、貴方だけが頼りです。失礼なお願いかもしれませんが、どうか三津夫の事、宜しくお願いします。 貴方の古い友人(だと私は思っている)       数寄屋安吾」
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