第一話

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第一話

今日からこの学園に入学する私達。 ロメリア・アクノマリア、それが私の名前。一応伯爵令嬢だ。私の隣にいるのは、幼馴染のリオン・ラミントン。彼は公爵令息。だけど、私達は身分とか関係無く仲が良かった。 「ねぇ、リオン。私達、今日から魔法が習えるんだよね? 私、凄く楽しみなの!」 「そうか。それは良かったな。」 そう言って私の頭を撫でるリオンは何やら真剣な表情だった。 ……どうかしたのだろうか。 疑問に思いながらも、私は歩き続ける。リオンが爆弾発言したのは、学園の校門をくぐったあとだ。 「俺、前世の記憶を持ってんだ。実はさ、ロメは悪役令嬢なんだ。」 私は思わず、目を丸くする。 ……リオン、何を言っているの? リオンは一生懸命に説明してくれる。 リオン曰く、どうやらここは乙女ゲームの世界らしい。そして、私は悪役令嬢みたいだ。 「それでさ、このままだとロメ、断罪される。」 「えぇ!? 私が? え、えっ何で?」 えっ、えと、ちょっと待って。気持ちを整理しよう。まずは深呼吸。 スーハースーハー。ん、よし大丈夫。 でも、前世の記憶があると言われただけでも驚いたのに、何故私が断罪されないといけないの? どうやら、私はこのままだと断罪されるらしい。 「……リオン、私断罪なんてされたく無いよ! どうすれば良いの……?」 私達は顔を見合わせる。そして頷く。 私達は決意したのだ。 私の断罪ルートを回避しよう、と。 「ロメ、断罪って言ってもゲームのシナリオとは別に行動すればされないはずだ。」 「それじゃ、私は助かるかも知れないのね?」 私がそう言うとリオンはオニキスの瞳を輝かせて頷いた。 「ロメ、この世界には悪役令嬢がいるようにヒロインもいるんだ。」 「ひろいん……?」 私は思わず首を傾げる。 「そう。多分、そのヒロインに近づかなければ断罪は大丈夫だと思うが……問題なのは、俺が攻略対象の一人であることだ。」 攻略対象……? 「だからもしかすると、あっちから俺達に近づいてくるかも。」 「えっ私、断罪なんて嫌だよ!?」 思わず声を荒らげる私。すると、リオンはオニキスの瞳を細めて、笑いながら私の頭に手をやった。つまり、私の頭を撫でているのだ。 「大丈夫、俺が何とかするから。」 こうして見つめられると、本当に大丈夫な気がするのは私だけなのだろうか。 「よし、俺達でロメの断罪ルートを回避しよう!」 「うん!」 こうして、私達は私の断罪ルートを回避する為に、戦うのであった。 ◇◇◇◇◇ 私達は教室の中へ入る。だが、中の様子が少しおかしかった。教室の中心に人が沢山いるのだ。 よくよく見てみると、中心にいたのは…………ヒロインだった。(らしい) 「リオン、あれ……」 「ひ、ヒロインだ……。」 つまり、私達のクラスメイトの中に、ヒロインがいるということだ。私達は思わず、頭を抱えてしまった。
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