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エピローグ
結局、夏の間まるまるノミとの闘いになって終わった。
一体、何回バルサンを炊いただろうか?
一体、何回薬を打ってもらったろうか?
ノミとはダニとは本当に生命力と繁殖力が異常だ。
今は秋になり、虫たちは活動を停止し始めた。秋の終わりになると、もう虫たちは活動停止になり、自然に消えていった。
コレが、毎年起きるイタチごっこだ。
僕は姫ちゃんを撫でながら「皮肉だよね、フェレットだけにイタチごっこなんて。ゴメンね、ノミに気づけなくて……」そう言った。
姫ちゃんはまるで分かっていないように元気に走り回った。
「コレが後何回起きるのか……姫ちゃんの寿命次第だからタチが悪いなあ……全く」
そう呟き、今年も結局はノミとのイタチごっこを経験した僕はまた来年も起きるのかなぁ……と思った。
結局の所、動物を飼うとはそういうことなんだと、改めて自覚した。
「神様、来年こそは平和な夏を……」
そうらしくないことを祈った。しかし、それがまた起きる前兆とは思いもしなかった僕だった。
僕とノミのイタチごっこはまだまだ続くのだ。姫ちゃんが生きている限り。そしてそれが飼い主の使命であり義務なのだ。
終わらないイタチごっこの夏は今年も終わった。
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