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カフェの入り口に現れた青年は、ジュリアたちの席に向かってくる。
「早かったな。ズネ」
ギュンがその青年に声をかけると、ギュンの股間の物体が跳ね上がって、床に飛び降りた。そしてそのまま、青年の方に動いていく。
それを見たジュリアは、あまりの卑猥な光景に正直ゾッとした……。
物体には短い脚が生えていて、その足でトコトコと歩いている。一生懸命歩いているようだが、とても遅い……。
入り口から歩いて来た青年が近くまで来ると、物体は青年に飛びついた。そして、さっきまでギュンの股間にいたように、その青年の股間におさまった。
どうして、またそこに行く!? と、突っ込みたいジュリアだったが、何となく見慣れてきた気もしたので、黙っていた。
「やあ、ジュリア。宜しく。俺は根津。ズネって呼んでくれ!」
そう言って、ズネと名乗った青年は、ジュリアに色目を使いながら、得意げに不思議なポーズを取った。
ポーズも奇妙だったが、ジュリアの視線は青年の股間に釘付けになっている。
それに気付いたズネ。ここぞとばかりに、奇妙な角度に腕をくねらせて、つま先立ちで腰を突き出し、自分の股間を指差す。
「こいつは、俺のスマートヴィジョン! ブラック! インディア~ン!!」
え、え、え……。
ジュリアは目を白黒させつつも、それを見ている。
さっきまでは、手も足もあったその物体だが、今は、しなびた茄子のように、でろんと垂れ下がっている……。顔のあった部分もしわくちゃで巾着みたいになっている……。
ジュリアの表情に、下を向くズネ。
「あ。こら、ブラックインディアン! 起きろよ!!」
そう言いながらズネは、股間から垂れ下がった物体をさすりだした。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょと!」
思わず、声を上げるジュリア。
「なんだよ! ジュリアが良かった。お前なんかにさすられたかねぇよ!」
そう言って、ムクリと起き上がる物体。そして、先の方から顔が出て、ニュッと手が伸びた。しかもいつの間にか、二重まぶたになっている。
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