第23話 ミスター・ゴータ VS ミス・ジャパン

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 遠方から急速で接近してきた黒い影……。斜め下から急激に上昇してきた黒い棒……。  瞬きをする隙もなく、ジュリアの目の前で起こった衝突事故。  鮮やかに飛び散る火花が……、見えたような気がする……。  せり上がったブラックインディアンに突き上げられた黒い影。カウンターで、アッパーカットを食らったかの如く宙を舞う……。いっそ、そのまま星になった方が綺麗だっただろうに……、と思ったのもつかの間。通路の天井に激突。急降下して、ベタんと床に落ちた。  口をあんぐりとあけたままのジュリア……。  黒い影は、紫色の髪の美女、ミス・アフリカ。床に寝そべって、完全に気絶している。  一方ぶつかった衝撃で、股間からそびえ立ったブラックインディアに鼻っ柱をぶっ叩かれたギュン。弾かれるように倒れて、床に後頭部を強打した。こちらも気絶して動かない。  ギュンは気絶したが、ビンビンとしてまだ動けるブラックインディアン。諦めきれずにギュンの股間から飛び跳ねて、自立歩行を始めた。体は巨大化して人間大にはなったものの、それに比べて短い手足。その短い手足を必死に動かしながら、よちよちと進んでいくブラックインディアン。 「こらまて!」  咄嗟に、ブラックインディアンを捕まえるジュリア。両手でブラックインディアンの胴体を挟むように抱える。 「離せ! ジュリア!」 「ダメよ! あんた、とんでもない事しようとしてるでしょ!?」  ジュリアを振り解こうと、もがくブラックインディアン。 「ぬおおおおお!!」  短い手を振り回して、激しく抵抗する。 「ダメだったら!!」  しかし、ジュリアが両腕を回してしっかりと抱きかかえている。硬さや太さに自信はあるものの、なんとも非力なブラックインディアン。今度は、苦し紛れに短い脚を使って、上下に屈伸しだした。 「くそおおおおお!! 行かせてくれ!! 行かせてくれーーーー!!」 「うわあああああ!! 行っちゃダメ! 行っちゃダメーーーー!!」  激しく上下するブラックインディアンをしっかりと両腕で抱えて、絶叫するジュリア。
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