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第4話 謎の物体
ジュリアの危機を救ったという男、ギュン。突き出した腰には、黒光りした棒状の物体が……。
思わず一歩身を引く、ジュリア。しかし、視線はそらさない。いや、そらせない……。
「やぁ! 俺はギュンのスマートヴィジョン! 君次第でもっと大きくなるぜ!」
そうしゃべったのは、ギュンの腰……というか股間。股間のあたりから突き出ている謎の黒い物体。
……あんなとこから声がしたけど……。謎の黒い物体に注視するジュリア。
「バカ! 紛らわしいこと言うな!」
ギュンも股間の物体に向かって話している……。
腹話術……? この人、一体何がしたいの? ギュンと股間の物体、視線を上下させるジュリア。
股間の物体は、やる気まんまんのオットセイの如く、ニヤニヤと笑みを浮かべてジュリアを見ている。しかも、頭を反らせて腕を組んでいる。随分と偉そうだ。
それにしても、場所もナンだし、なんだか形もアレだ……。そしてその色艶は、ジュリアが日々想像していた物とかなり違うが、なんだか凄い……。
ちょっとまって! 日々想像していた物って、いったい何よ……。
自問自答しつつも、ジュリアはそれに気付いて、ハッとして目をそらす。
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