病ンデル話

あとがき

キャラクター

・犬山 千恵(いぬやま ちえ)→【ペンネーム:喜多 陽花(きた ようか)】 女

17歳。背は161cmあり、黒髪ロングでタートルネックを好んで着る。顔はかなり美形の部類で、大人びた雰囲気がある。性格は大人しく、口数は多い方ではない。愛知県生まれの埼玉県秩父市住まい。方言が喋れないので、標準語で話す。家に引き籠りがちなので、肌が白い。
山や畑しかないような所で一軒家で一人暮らし。それと山の中に猟師をしていた祖父の小屋を持っている。14歳の時に神谷高速トラック爆発事故で両親を亡くし、学校を中退した。事故をテレビで知ったことや面白おかしく報道する様から、テレビやネットが嫌いになる。
何もせずに引きこもる日々を2年間過ごす。絶望の淵に追い込まれた千恵は長らく放って置いた遺品整理にようやく手をつけると、それらの中に母の日記を見つける。暖かく優しい内容により立ち直る。日記に自分の描いた絵が気持ちを明るくしてくれるなど褒められていた事から、昔一度だけ考えていた絵本作家を目指す。
17歳の時に作ったデビュー作品「太陽の下で」がキッカケで大人気となる。不遇な待遇の中で希望や光に満ち溢れた内容と柔らかで目の引く絵が描かれた作品で子供たちだけでなく、保護者からも人気が高い。

担当者である佐々木真から事ある毎に必要経費と称してお金をせびられる。
死んだ両親のお金なので、最初は渋ったが、夢を叶える為に必要だと感じ、泣く泣く渡す。
担当者が違う人間を仕立て上げ、自分をゴーストライターにしていた事と担当者が神谷高速トラック爆発事故を引き起こしたトラックの運転手の親戚だと知り、佐々木真と立花鈴華を誘拐し、殺害する。
犯行後は行方不明。犯行時の最後に作った作品「みんな いっしょ」はネットに流出し、一部の人間には人気が出た。中にはその作品に感化されて、何件か殺人事件が発生した。

・佐々木 真(ささき まこと) 男

25歳。福音信新社に入社した3年目の担当者。身長は162cm。外見は良い方だが、常にやる気が無く、隙あらばサボる。立花鈴華と5ヶ月前から付き合っている。かなりのギャンブル狂いで色んな人間に金を借りている。立花鈴華からお金を貰っているヒモ状態。

運良く犬山千恵の担当となり、効率良くお金を手に入れる為、立花鈴華を作者として仕立て上げ、犬山千恵をゴーストライターにする計画を立てる。
神谷高速トラック爆発事故を引き起こしたトラックの運転手は彼の叔父であり、ヤクを勧めてハマらせたのは彼である。ギャンブルする金が欲しい為、知り合いに頼まれ、バイト感覚で何人か勧めている。
犬山千恵にゴーストライターをさせているのと叔父が神谷高速トラック爆発事故を引き起こしたことを知られ、拉致される。
長時間の拷問を受け、23時間後に心筋梗塞で死亡。

・立花 鈴華(たちばな すずか)→【芸名:明陽 アスカ(めいよう あすか)】 女

27歳。売れないグラビアアイドル。身長は156cm。プロポーションは高いが、グラビアアイドル界ではありきたり故に人気が高くない。佐々木真と5ヶ月前から付き合っている。会う度にお金をせびられ、その度に渡している。グラビアアイドルの収入が良くない為、最近話題になっている「デート婚活応援サービス」でバイトをしている。自分に自信がない男性を応援する為のもので、1回2〜3時間のデートをするだけで3〜5万稼げる。

佐々木真から絵本作者のフリをするよう頼まれ、テレビで人気になるのが夢なのとお金を稼げる為、承諾する。芸名『明陽アスカ』が作者名『喜多陽花』に少し似ている為(光や明るいイメージ)、すぐに本人だと世間で認められた。元々、トーク力が高い為、テレビで人気となる。直接目の前で描いて欲しいと言われるが、誰もいない1人の時じゃないと描けないと言って誤魔化している。
犬山千恵にゴーストライターをさせている事を知られ、拉致される。
頭をトンカチで3回殴られて死亡。

・佐々木 智久(ささき ともひさ) 男

59歳。トラックの運転手。佐々木真の叔父にあたる人物。4年前は法人関係にパソコンを売る会社で課長で満足のいく生活だったが、上司が不正をし、社員を大量解雇。それに巻き込まれ、リストラされる。
何とか仕事を探し、1年後にはトラックの運転手になるが、すでに精神を病んでいた。そんな状態を知った佐々木真からヤクを勧められ、ハマってしまう。ヤクが切れるのが嫌な為、仕事中でもやるようになる。
神谷高速トラック爆発事故を引き起こし、死亡する。

詳細

福音信新社
→光が上から刺し、羽根が舞う中、こちらを向いて少女が膝をつき、お祈りをしているのをシンボルとしている絵本出版社。
1948年創立、東京都江戸川区に本社を構える、絵本業界では有名な会社。
資本金6200万。売上高63億4000万。従業員148人。
主な有名出版「どどんと ももちゃん」「だっこちゃんの冒険」「てつだいできるもん」「探すよ わんこちゃん」。

「太陽の下で」
→両親を亡くし、孤児となった少年が様々な人々と出会い、絆を紡いでゆく。外に出る事すら出来なかったのに、外へと飛び出し、最後には最初の頃に出会った少女と結婚し、優しい王様になる話。
上・下の2部作品となっている。

神谷高速トラック爆発事故
→神谷高速道路でトラックが横転し、後続車が追突、そのまま引火し、連鎖爆発が発生。
近くでその惨状を見た人々が救助に向かい、爆発に巻き込まれる人もいた。
一時期話題になった悲惨な大事故。
死者22名。重軽傷者47名。
始まりを起こしたトラックの運転手「佐々木智久」の家からヤクがあった為、運転中にヤクをやっていた可能性があるとされているが、遺体の損壊が激しい為、物的確証は取れず。

エストラーナ株式会社
→法人向けのパソコンを主に販売をする会社。また、販売だけでなく、プログラムや部品の作製、修理も行う。
1991年創立、東京都豊島区に本社を構える会社。
資本金1100万。年商45億200万。従業員160人。不正プログラム事件をきっかけに2016年倒産。

エストラーナ株式会社 不正プログラム事件
→エストラーナ株式会社の商品であるパソコンに不正プログラムが入っており、問題を起こした事件。中に入れたデータが破損し、色んな企業から訴えられ、パソコンの回収と賠償金を求められた。このことがあり、大幅に社員を削減(という名のリストラ)を決行。多くの人々を不幸にした。

秩父名誉詐欺殺人事件
→秩父の山にある小屋で2人の死体が発見された。被害者は佐々木真と立花鈴華。死体の経過時間から死後3日経っていた。加害者である犬山千恵がゴーストライターをやらされていたことを知り、犯行に及んだとされている。立花鈴華は鈍器で殴られ死亡。佐々木真は長時間の拷問の末、心筋梗塞で死亡。
加害者とみられる犬山千恵は行方不明。