歪な三角形

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ある朝電車に乗ると、彼とその子が楽しそうに話していた。 いつの間にかくっついていた2つの頂点。 私が降りた後の駅2つ分に何かドラマがあったのかもしれない。 独りぼっちの頂点が、2つの仲良くなった頂点を眺める。 歪な三角形崩壊。 私の恋も崩壊。 でも、知らない内に違う歪な三角形が出来ていたりする。 もう一つ後ろのドアで、ずっと見ている男の子。 私を見ている男の子。 落ち込んでいる私はまだ気付かない。 いつ気付くかもわからない。 いつ崩れるかわからない歪な三角形。 人混みの街中に溢れている歪な三角形。
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