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春
1
「ねえねえ、美幸はバレー部、どうだったぁ~?」
「え~、先輩超こわそうだったよ。みんな背高いし、足ぶっといし」
「サッカー部やべえよ、まじレベル高かった。俺、レギュラー獲れんのかなぁ……」
「お前のとこはまだマシだって。水泳部と相撲部は全国大会常連だってよ!」
高校生活という人生の新しい舞台の幕が開かれてから早一週間が経った。
ほどほどに打ち解けたクラスメートたちが繰り広げる会話の主役は、それぞれが所属することになった部活動の内情だ。
僕らは「スポーツコース」という、特別カリキュラムが組まれているクラスに所属している。そしてこのクラスの連中は皆、なんらかのスポーツの実績があったがゆえにこの私立日新高等学校に推薦入学となった者ばかりだ。だから部活動への所属は必然で、どの部活に所属するかも各自、入学時点のカリキュラムとして設定されているのだ。
この高校は、学業の特待生で構成される特別進学コース、スポーツ推薦生で構成されるスポーツコース、それから日新大学の推薦入学を狙う一般コースがあり、特別進学コースとスポーツコースには特待生制度がある。
特待生はA~Cのランクがあり、特待A級は学費ゼロ、なおかつ修学旅行などのイベント経費もタダという破格の待遇を受けることが出来るらしい。
格別の優遇処置により学業およびスポーツにおける優秀な生徒が集まり、その生徒たちが学校の名誉のために誇らしい成績を収め、日新高等学校ひいては日新大学の名声を上げるという構図らしい。そして特待生の分の学費を負担するのは日新大学への現役合格がほぼ約束されている、一般コースの生徒たち、の親である。
ちなみに僕はBランクの特待生で、入学金免除、学費が半額となっているのだ。
そして僕の専攻するスポーツは――
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