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生首に関する小説を読もうとしていると香苗ちゃんが小さく悲鳴を上げた。
「あっ、パソコンが動かなくなっちゃた」
智哉は香苗ちゃんのほうを向く。香苗ちゃんは智哉の右斜め前にデスクがある。智哉は背筋を伸ばして香苗ちゃんに声をかけた。
「どうしたの?」
「いえね、今、読者数が凄くてエラーが続出してたんです。それで対処に追われてたんですけど・・・」
「珍しい。香苗ちゃんがエラーの対処なんて」
「わたし、前職はSEだったんですよ」
「おお、そうだったんだ」
「ええ、それでさっきプログラムを組んでいたSEの人にホラーがヤバいって言われて、手伝ってほしいって頼まれたんです。それでホラーを見ている最中だったんすが、パソコンが動かなくなっちゃって、困りました」
「強制終了してみれば」
「ああ、いいとこまでプログラム組んでいたんですが」
「バックアップはきかないの?」
「このソフトは1時間おきに自動保存がかかるんですよ。ああ、1時間は長いな」
香苗ちゃんはパソコンのモニターをトントン叩いた。
「あっ」
香苗ちゃんがまた小さく悲鳴をあげる。
「どうした?今度は」
「女の子・・・」
「えっ、なんだって?」
「井川さん、来て見てください、モニターに女の子が映ってる」
香苗ちゃんはそういうとガクガク震えだした。智哉は急いで席を立って駆けつける。
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