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 智哉は、晩酌はしない性格である。最近は色々あって、しこたま飲んでいたが、基本的に週末しかアルコールを身体にいれなかった。その晩はウーロン茶で餃子を食べてからシャワーを浴び、早めにベッドに入った。華絵は智哉の腕の中に滑り込むようにして入ってきた。シャンプーのいい香りがして胸の膨らみが感じられる。智哉は華絵の顎を持ちキスをした。美嘉はぐっすり寝ている。 「ねえ、そろそろ下の子も作らない?」 舌を絡めせ濃厚なキスをしてから唇を離すと、華絵はそう言って甘えてきた。智哉は華絵の胸まで唇を這わせた。 そうして「ああ、そうだな」と言った。  そのまま、乳首を口に含む。小さな乳首はすぐに固くなって華絵は小さく吐息を漏らした。 「美嘉が起きないようにしよう」  そう言って、華絵のパジャマを丁寧に脱がす。智哉の下半身もすぐに固くなった。布団を被り、美嘉が万一、起きた時でも見えないようにしてから、バックで華絵の中に入る。熱くて濡れた華絵の中は最高で、智哉は少し動くとすぐに果てた。 「赤ちゃん出来るといいな」 華絵の言葉が胸に突き刺さった。赤ちゃんか。  翌朝に目を覚ました智哉は半袖のワイシャツに黒のスラックスを着て会社へと向かった。今年は例年にない暑さだとニュースで言っていた。車内はエアコンをつけているので涼しいが、真っ青な空に太陽がギラギラ光って眩しい。今日は金曜日だ。明日は神川町の金さな神社に行ってお祓いをしてもらう予定になっている。お祓いをして貰えば小夜子ちゃんも退散するだろう。今日1日を無事に乗り越えればいいのだ。  会社に着くと、灰色のデスクに座って、パソコンを立ち上げた。今は8時30分だ。会社が始まるまで、少し時間がある。喉が渇いていたので智哉は買っておいたアイスコーヒーを取り出してデスクの上に置いた。すこし甘いコーヒーが好きなので何時も微糖を買っている。良太も同じで「仲がいいんだね」と香苗ちゃんによく揶揄われていた。
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