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「あ、智哉さん、おはよう。確か今日は仕事があったんだったよね」 「ああ、と言っても夜からだ」 「そうなの、じゃあ、今日は昼間は暇なのね」 「うん。何かあるのか?」 「ミーコの様子が変なの。元気がないの。病気みたい」 「ミーコが?それは大変だ。病院に連れて行こう」 「そうしてくれるかな。美嘉も落ちこんじゃって」 智哉はミーコがいつも寝ている和室に入っていった。 「フゥー、シャー」 ミーコは今日もまた、智哉を見るなり逆毛を立てて威嚇する。 「どうしたんだよ、ミーコ」 「フゥー、シャー」 「困ったな、これでは病院に連れていけないじゃないか」 智哉はミーコを無理やり抱きかかえようとした。 あっ、 ミーコが暴れて爪が智哉の頬の肉に食い込んだ。赤い血が滴り落ちる。 「何するんだ、いったいどうしたんだ」 「智哉さんどうしたの?大声だして、あっ」 華絵が智哉の顔を見て驚いた声をあげた。 「血がでてるじゃない」 「ああ、ミーコにやられたよ」 「今、消毒液と絆創膏、持ってくるね」 「うん、でもこの様子じゃ、俺は病院に連れていけそうもないな」 「わかった。わたしと美嘉で動物病院に行ってくるから智哉さんは留守番しててくれない?それに昨日の運転で疲れているでしょ」 「そうか。じゃ、俺は昼寝でもしてるか」 智哉は頬を押さえながら和室を出た。華絵はそれについてきて、救急箱を棚から降ろした。 「はい、これ」 「ああ、すまない」 智哉は大きめの絆創膏をだして頬に貼った。
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