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「大輔、大輔」
少し苛立ったような麻里の声ではっとした。僕はうたた寝をしていたようだ。
「あ、悪い」
麻里の目が苛立ちから心配に変わる。
「ねえ、バイトしすぎじゃない?」
麻里は僕の彼女だ。つきあって1年になる。
でも、あの仕事を始める前は、僕は塾講師やら、牛丼屋やら、工場やら、いろんなアルバイトをかけ持ちして、文字通り寝る間も惜しんで働いていた。だから、麻里と会う機会はさほど多くはなかった。
そしてあの仕事を始めた後は、時間に多少の余裕はできたけれど、それでも、いろいろと疲れることが多かったため、やはりあまり会えていない。
もちろん、あの仕事のことは麻里には内緒にしている。
「ごめんね。たまにしか会えないのに、居眠りなんて」
*参考文献*
『女子大生風俗業』中村淳彦著(朝日新書)
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