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さてこの作品で受賞はしたものの、僕としては満足する結果ではありませんでした。
主催者からは、電子書籍として共同出版を勧める案内が送られてきていました。
四百字詰原稿用紙百枚前後で、三十万から四十万円前後。
次のような手紙が添えられていました。
「もう少し詳しい見積書を送りたいのですがいかがでしょうか?こちらで用意した返信用の書類にご意向を記入の上、返信用の封筒でご返送ください。
切手は必要ありません。」
というものでした。
こちらが一番読みたかった講評も同封されていたのですが、全く納得のいかないものでした。
次の点が問題点として指摘されていたのです。
要旨を紹介します。
<しかしヒロインのキャラクターには問題が残ります。
ヒロインは主人公がクラス委員になるためなら何でもする。
クラスメイトを脅迫したり暴力をふるったりする過激さです。
こういう非常識な倫理観のヒロインに読者は共感できないので大幅な書き換えが必要と思います・・・>
何言ってるんだ!
それが率直な感情でした。
終盤のクライマックスで主人公が、こう独白するシーンがあります。
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