エッセー 共同出版について②

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エッセー 共同出版について②

 『封神演義』の出版費用は、日中友好団体全員で負担。  出版社への窓口は僕が担当し、翻訳をした関係で自分が校正をしました。  それでも出版後に点検すると誤字脱字が数多く見つかりました。  こうして日中友好団体で共同出版した『封神演義』が出版され、著者の分として二百冊、日中友好団体へ送られてきました。  とにかくこれだけでも販売しなければというのが課題でした。    「日本で漫画、ゲームになっている『封神演義』が原作からかけ離れていることを知った中国の人達が、原典に忠実にリライトした」 ことを全面的に押し出し、「中国の文化紹介の意義」を強調することに決めました。  まず中国情報専門紙に一冊、本を送って「紹介文」を添えました。事務局の連絡先も明記しました。  幸いかなり大きく取り上げて貰いましたが、十冊くらい個人注文があっただけでした。  地元の新聞にも本と紹介文を送り、最終的に朝日新聞名古屋本紙が取材に来てくれました。  朝刊で「地方の頁」の半分くらい使って紹介してされたので、当日の朝から事務局の電話が鳴りっぱなしでした。  郵便局で郵便振替の手続きをして、振替用の用紙を同封して発送。  二百冊弱販売しました。  後になって出版社から印税が送られてきましたが、六万ちょっとでした。  直接注文をとって販売した分の代金に六万の印税を合わせた金額を分配しましたが、各自の負担金額には遙かに及びませんでした。  その後、出版社から共同出版のフェスティバルに出展を勧められましたが、三十万くらい費用が必要と聞いて断りました。  最初に「どの書店に置いて欲しいか」希望を聞かれ、確かに五冊くらいずつ置かれていました。三省堂書店や丸善などです。
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